くまさんのアットホーム住宅 家づくりのアイデア、注意点教えます

アットホームな住宅を建てるためのアイデアや注意点を書いていきます。

【住宅の建て時 前編】増税前の建築は正解?不正解?あなたにあった住宅の建て時って?

■思い立ったが吉日なんて言いますよね

今年は増税絡みで家を考える人が多いと全国的に言われています。  

                                  

実際に自分の会社でも来場数が増えており、これをきっかけに家を建てる人が増えてくる状況です。

 

 となると、より気になるのが、『家を建てるに当たって一番いい時期』、いわいる『建て時』。

 

これは、やはり増税前の方が良いのでしょうか?

 

皆さん気になりますよね?私のお客さんも同じように思っている人が多くて、この質問はよく聞かれます。

 

と言っても、同じことは毎年聞かれますが、時に今年は増税が絡んできたり、その緩和策として10月以降の減税措置などもあるから余計に気になっているんだと思います。

 

と言うことで、今回は住宅の『建て時』について話していきます。

 

■消費税は確かにもったいないが・・・

 

とりあえずは直近の考え方。消費税8%での建築について話してみます。

(注:記事は2019年2月に書いています)

 

まずは簡単な知識として、増税した場合の費用増を考えてみます。

 

例:3000万円の土地付き建物を買った場合

 

2019年3月末日までに契約、もしくは9月末尾までに購入の物件の消費税

 

3000万円x8%=240万円

 

2019年10月以降の物件

 

3000万円x10%=300万円

 

実際には土地は消費税が掛からないので、あくまでも3000万円の支払いであった場合と仮定すると、60万円の差が生まれる。

 

この他にも、外構工事や家具家電、引っ越し代なんかも合わせて増税後だとすると70万円、80万円の差が出てもおかしくない。

 

だから、消費税が8%で確定する3月までの契約がお得だと言われています。

 

まったく同じものを買うのに80万円も多く払うのは嫌ですよね?

 

また、今はまったく同じものだと仮定しましたが、80万円も差が出ると人によっては予算オーバーになって、その計画では無理な可能性もある。

 

だから、増税前に家を買うという判断は正しくもあります。

 

ただし、正しくない時もあるんです。

 

現在増税後の景気冷え込み対策として、色々な法が作られています。(2019年2月現在)

 

住まい給付金だったり、住宅エコポイントの復活、住宅ローン減税の拡張など色々な対策が練られています。

 

人によっては、これらの恩恵で増税後の方が得をする可能性も出てきました。

 

 ちなみに消費税が5%から8%に上がったときも対策がされましたが、増税後の冷え込みは本当に凄かったです。

 

体力がない会社が倒産にまで追い込まれたケースもあったようで、国としてはそんな状況を繰り返すわけにはいけないと言った状況もあります。

 

ですので、それなりの対策をするのは当たり前なことでもあります。

 

じゃあ、私はどうしたらいいんでしょう・・・?増税前?増税後?ってお考えのあなた。

 

まだ、焦らないで。この他にも話があるから、それから答えを出してみましょう。

 

ただ、確実に言えることは増税だからって焦って建てるのはナンセンス』ってことです。

 

増税で真に怖いのは『駆け込み需要』

 

5%から8%に上がった時の実例ですが、その時に起こったのが『駆け込み需要』って問題です。

 

『駆け込み需要』と言うのは、増税の前に色々な物を買っておこう!って人達による需要のことです。

 

あの時も住宅に限らず色々な物がそうなったけれど、住宅業界はかなり深刻な問題になりました。

 

個人的には駆け込み需要ではなく、『駆け込み問題』と呼んでいるくらいです

 

この話をすると、会社なんだから仕事が増えて嬉しかったなら話は分かるけれど問題ってちょっと意味が分からないよ?なんて言われることもあります。

 

一般的な感覚だとそうかもしれませんが、実際住宅などの業界には大問題にまでなりました。

 

特に 『買う側』つまり消費者にとても大きな問題が生まれた。

 

次はその理由を上げてみます。

 

■駆け込み問題 その1 材料や工事費の値上がり

 

まず一番分かりやすいのが、『材料、工事費の値上がり』問題。

 

いつも以上の仕事があるのはいいんだけれども、それが業界全体になると、材料や部品が一気に使われるから、色んな物が品切れになりました。

 

特に住宅産業は、住宅建築数が平成の初めの頃にピークを迎え、年々減ってきていているので、その部品を作る会社や工場も、多くの生産に対応が出来なくなっている。

 

そんな状況が重なり、品薄になり、海外から部材を買ったりしてで何とかしのいだけれど、そういった状況で材料の値上がりが問題になりました。

 

ちなみに問題って言いましたが、こんなことを想像しませんでしたか?

 

増税前に契約すれば消費税はそのままで、更に値段もそのままでしょ?』

 

業者さんはきつかったのかもしれませんが、私達買う方は特に問題がないのでは?

 

なんて思った方もいるかもしれません。

 

実際にはその通りなのですが、問題は値上がりが一気に来たわけではなく、徐々に徐々に来たことにあります。

 

そうなると、最初の頃のお客さんにはそのままで値段を出せたけれど、増税が近づくにつれて、材料が上がった分を何とかしようとして、徐々に建物の価格も上がっていきました。

 

同じように、家を造る職人さん達も人手不足になり、それに対応するために、値上げをせざるを得なくなった職人さん達も多かった。

 

これらがまとまり、増税前今年で言うと3月になりますが、その時がピークに、会社によっては普段の1割以上の値上げもあったといった事態になりました。

 

先ほどの例をもう一度だすと、3000万円だった場合、消費税が5%から8%上がった場合90万円程度のアップだったのですが、実際には1割つまり300万円も多く払った人がいるってことです。

 

全ての業者がそうなった訳ではないですが、そういった事例も実際に聞いています。

 

そんなの増税を上手く使った、詐欺みたいなものじゃないか!?

 

私だったら納得出来ないから契約なんてしませんよ!!!

 

なんて方もいるかもしれません。

 

 確かに、普段の値段を知っていたらそうなるんでしょうが、実際に値上げした金額がこちらのいつもの値段ですって言われたら、買う側はそう思うしかないのが現実。

 

実際に、値上がりがあった状況だったのに、駆け込みの月の住宅契約数は全国で軒並みあがり、過去最高契約数なんて会社ばかりだったのが実情。

 

売る側もボランティアでやっている訳ではないから、利益はしっかりと確保したいとなるとこうせざるを得ないのもまた実情。

 

だから、私はこれを『駆け込み問題』と言っています。

 

 

■駆け込み問題 その2 打ち合わせ時間の短縮

 

次の問題はお金とは直接には関係ないけれど、家を建てる人には大きな問題。

 

ちなみにもしあなtが建売住宅などではなく、注文住宅を希望の場合、担当者と間取りを決めたり、内装などを決めていく作業がありますが、これを急いでやりたいと思いますか?

 

折角の注文住宅ですから、じっくり欲しい物を選んでいきたいですよね?

 

ではそれが、会社の都合で急がされたらどう思いますか?

 

住宅は高い買い物なので、後悔はしたくないですよね?

 

だから急がされることは気持ちがいい事では当然ありません。

 

それが当然の気持ちだと思います。

 

しかし、駆け込み需要が絡むとそういった事態になり兼ねないんです。

 

え!?それって駆け込みと何にも関係ないじゃないですか?って思う方も多いと思います。

 

 しかし実際には大有りなんです。

 

 

理由は簡単。

 

さっきは職人さんの人手が足りなくなるって言ったけれど、同じことが会社側でもおこりました。

 

住宅業界の仕事は特殊なことや専門的なことが多く、ちょっと仕事が増えたからってバイトやパートさんの増員でなんとかなることではありません。

 

さらに、先ほど言ったように、年々仕事が減っている業界だから、新しい人をバンバン増やすのも会社としては難しい。

 

となると、今いる人員でなんとかするしかない。

 

でも、一人一人がどれだけ頑張っても仕事量が数倍にまでなることも難しい・・・

 

となると、お客さんの対応の質や時間を減らしていくしか方法が無くなったんだよ

 

それで、普段よりも急がされるという事態になりました。

 

そう。一生に一回の買い物だから、こちらも大事にしていきたい気持ちはあるんだけれど、どうしようもないと言うのが実情になってしまいます。

 

この問題はお金がどうこうなる話ではないですが、一生に一回と考えると、お金よりもこちらの方が問題だと思う方も多いでしょう。

 

だから、私はこれも問題だと思ってます。折角なら、良い物を買ってもらいたいからです。

 

■駆け込み問題 その3  土地が無くなる

 

この問題は住宅を土地から見つけて買う人の問題なのですが、5%~8%の時は、売り土地が一気に無くなりました。

 

建物と違って土地はどこでも買える訳ではありません。

 

売地は誰かが買ってしまったら無くなるし、いつ新しい土地が出てくるかなんて誰にも分らない。

 

そんな状況で、住宅の需要が一気に高まるから、条件の良い土地からどんどん売れていく。

 

残るのは、条件が悪い土地ばかり。

 

また、多少なら高くても売れる状況でしたので、価格も高止まりを続けました。

 

 このタイミングに合わせて、分譲を始めた業者も多いので、全くなくなったとまではいきませんでしたが、土地購入者にとってメリットは少ない状況になります。

 

その他にも問題はありますが、これだけ見ても増税前の住宅建築は落とし穴が沢山ある状況です。

 

増税の影響のまとめ

1、材料や工事費が上がってしまう(価格UPに繋がる)

 

2、打ち合わせ時間の減少などで、じっくり選べない可能性があり。

 

3、土地が無くなり、条件が悪い土地を買わざるを得ない状況がある。

 

以上です。

 

現状の近々の考えだと、どうしても増税を考えなくてはいけないため、まずは増税のことについてお話してみました。

 

増税については、またの機会に詳しく書いてみたいと思います。

 

今回は記事が長くなりすぎたので、後編として住宅の『建て時』について書いていきます。

 

下のリンクを貼っておきますので、ぜひお読みください。

 

attoho-mujuutaku.hatenablog.com