■普通に使うと、返済に34年掛かります。
さて、前回に太陽光発電はローンの足しにはならないと言った記事を書かせて頂きました。
まだ、お読みで無い方はこちらからお読み下さい。
attoho-mujuutaku.hatenablog.com
それどころか何も知らないで使っていると、太陽光発電の購入金を売電の収入で完済するには、なんと34年間も掛かるといった計算になりました。
あくまでも、私の経験や調べたデータでの話なので、全ての方がそうなるとは言いませんが、知らずに使うとそうなることも考えられます。
しかし、太陽光発電はしっかりと理解した上で利用すれば、下手な投資よりも儲けることが出来る設備にもなります。
今回は、その方法と考え方を書いていきたいと思います。
■自分の電気代をしっかりと理解する
皆さんは自分の電気代しっかりと理解してますか?
『当たり前だ!しっかりと家計簿も付けてるし、それで節約だってしている!』
なんて方も多いかもしれません。
では、その毎月の電気代。
いくらの商品を、いくら買って、その結果、その値段になっているのかもご存知ですよね?
だってそれは当たり前でしょう?
スーパーで買い物をしたら、100円の大根を一本、500円のお肉を1パック、200円の牛乳を1本など。
商品の価格を理解し、その合計がいくらになるからってことで支払いをしていると思います。
それと同じことを電気でもやっていますか?って聞いているのです。
といじわるに言いましたが、実はこれほとんど知らない人ばかりなんです^^;
電気代の総額は理解していても、その詳細まで知っている人って本当に少ないです。
特にアパート暮らしの方や、築何十年の家に住んでいる人は、まったくと言っていいほど知らないです。
今回の話に入る前に、このことを知って頂くことが重要になります。
■こんなにも違うの!?電気の値段って一律じゃないんです。
中部電力|従量電灯A・B・C - 基本メニュー(電灯契約)より引用
上記の表は、中部電力さんの2019年3月時点での『従量電灯B,C』の料金表です。
参考の為に、引用させて頂きます。
このように使う電気量で値段が異なることが明記されています。
こういったことを理解し、自分はどのプランであるのかを把握することがまず大事になります。
このプラン等は電気の領収書などに記載がありますので、一度調べてみるのもいいでしょう。
■太陽光発電向きのプランが存在する
さて、このプランです、各電力会社何種類も用意があります。
その中で、実は太陽光発電に適したプランがあるんです!
そのプランがこちら。
中部電力|スマートライフプラン - 基本メニュー(電灯契約)より引用
また中部電力さんから引用させて頂きました。
このようなプランが各電力会社さんに用意があり、プランの名前こそ違いますが、同じようなプラン体系になっています。
簡単に説明すると、電気の使用時間により、電気代が変わるプランで、主に深夜と朝と夜、そして昼間と3種類の電気代があるプランになります。
そして、土日祝日は、よりお得な時間が増えているプランになります。
さて、ではなぜこのプランが太陽光に向いているのか?
それはこのプランの料金体系あります。
■昼間は高いけれど、夜は凄く安い
中部電力|スマートライフプラン - 基本メニュー(電灯契約)より引用
上記がこのプランの簡単な電力料になります。
見て頂いて分かるように、昼は電気代が高く、朝晩は普通、そして深夜は格安で昼間の半分の電気代になります。
この料金設定が本当に、太陽光発電と相性が良いのはお分かりいただけますか?
■高い電気は買わず、安い電気だけで生活が出来る
太陽光発電の売電の方法で多いのが、発電した分を自分達の家でまず使い、その余った分を販売する、『余剰買取』といった方式。
この流れだと、まずは作った電気をまずは自分達で使うことになるので、太陽光パネルが発電している昼間は、電気を買わなくても済むことも出来ます。
これがとても大きいのです。
このスマートライフプランの弱点は、昼間の電気代が高い事。
その代わりのメリットが夜や、深夜は電気代が安い事。
なので、このメリットをなるべく受けたいと思えば、昼の電気を使わず、深夜だけ電気を使えばいい。
しかし、そうは言っても、冷蔵庫やエアコン、TVなどの待機電力は絶対に掛かる。
それを太陽光の電気でまかなえる。
これが、このプランが太陽光発電に向いている理由です。
■売るより使った方が儲かるんです
さて、ここからは太陽光の儲かるって話に戻します。
電気代の話で、昼に電気を使うのはもったいないって話は理解して頂けたと思います。
しかし、太陽光があれば、高い電気を買わずに済む。
これが本当に大きくでます。
電気会社や太陽光発電のメーカーの話だと、この昼間の電気を買わないだけで、月に3000~5000円程度は電気代が安くなると言います。
もし仮にこれが200万円の太陽光発電を買うことで生まれる利益と考えたら、相当な利益ですね^^
もし、あなたの近くの銀行で200万円を預けたら毎月3000円の金利が戻って来たり、200万円分の株を買ったら、毎月3000円分、年間3万6000円以上の利益があるなら、そちらでも良いと思います。
しかし、これだけの利益を生むことは、結構難しいのではないしょうか?
■買うなら現金で、無理なら期間が短いローンをおススメします
さて、この利益も35年のローンで太陽光を買うと、半減どころか儲けなんてほとんどないってことになります。
しかし、現金で買えばどうでしょうか?
例えば200万円の現金で買えば、その売電額だけで10年程度で元が取れます。
*その内容は前回の記事でお伝えしております。
さらに、この高い電気を買わなかった電気代を含めると、10年間で40万円程度の利益が生まれることになります。
同じように短期間でローンを組めば、その分の金利は少なくなりますので、より利益を得やすくなります。
これを35年のローンで組んでしまうと、ほとんど利益はありませんので、太陽光を買うなら現金または短期間ローンでと言うことになります。
■メンテナンス費用分を考えると・・・・
とここまで話をしましたが、実際にはここにメンテナンス費用が掛かります。
10年で10~30万円程度かかると言われていますので、30年もすれば、30~90万円程度のメンテンナンス費用が掛かります。
最初の10年で払い終わったとすると、その後は電気代が少なくなる分の利益が10年間で40万円程度、30年なら120万円程度。
これに10年目からは売電額も収入として考えらえるので、前回の記事の例でいくと(詳細は前回の記事をお読みください)
7KW程度のシステムで、10年後の買い取り額が1KW辺り8円になったと計算し、1年に1%発電率が下がったとした場合の10~30年目の売電の総額は、約110万円程度になります。
これを先ほどの電気代の利益と合わせると、約230万円程度、色々と概算が多いので、約200万円が利益として上がってくるということにします。
ここにメンテナンス費用の90万円程度を入れると、合計は110万円程度。
実際に凄く儲かるかと言うと、思った程っていうのが、最終結果になります^^;
■固定買取10年後以降は、売らない方が得になる
さて、先ほどまでは売ることを前提に話してきましたが、10年目以降の下がった売電額では、安すぎて売ってもあまり儲かりません・・・
ですので、10年目以降はなるべく電気を売らない方法を考えるのがベターと言えます。
例えば、蓄電池を導入し、昼間だけではなく夜も太陽光で作った電気だけの生活をする。
電気自動車を利用し、家以外のエネルギーも太陽光でまかなう。
その他にも色々ありますが、10年目以降の安い金額で売るくらいなら、他で使うことを考える方がよほど得になります。
このようにすれば、より効果的に太陽光発電を使え、さらにメリットが大きくなると言えます。
■この収入で、ローンが返せるとは思ってはいけない
さて、前回も記事にしましたが、今回も同じで、太陽光発電の収入で、ローンの返済が出来ると思ってはいけません。
現金で購入しても、最初の10年の売電は、ほとんど返済だけに回りますし、太陽光を使った影響で、買わなくて済む分の電気代は、支払わなくて済むだけで目に見えるお金としては発生しません。
太陽光発電は、効果的に使えば『儲かり』はしますが、『収入』としては考えない方がいいのです。
■まとめ
さて、太陽光発電の儲ける仕組み、分かって頂けたでしょうか?
住宅営業や太陽光発電のメーカーなどは、何もしなくても儲けられるような言いかたで、販売をしてきますが、実際には色々と考えて導入しない限り、儲けることは難しいのが現状です。
しかし、長い目で見て、しっかりとした対策が出来れば、投資として利用することも出来るのもまた事実。
過度な期待をせずに、じっくりと儲ける。
そんな方に向いている商品だと言うことをご理解いただければと思います。