■ローン返済の足しになるなんて言われていませんか?
先日朝のニュースで、太陽光発電の『2019年問題』なる話題を見ました。
固定買取が始まって今年で10年目。
固定買取は余剰売電で10年間の固定買取でしたから、それが終わるとどうなるのか?
実はその措置がまだ完全に決まっていないよってお話しでした。
各、電力会社で話が異なるようですし、今後しっかりと見ていかなくてはいけない事態です。
さて、そんなニュースを見ていたら、今回お話ししたいことを思い出しました。
『太陽光発電はローンの足しになりますよ!』
そんな風に言われたことってないでしょうか???
*これから色々な計算やデータが出てきます。
その数字や結果はあくまでも、私個人がこれまでの経験や調べ出した結果なので、全ての方に当てはまるわけではありません。
そのことを理解したうえで、お読み下さい。
■太陽光発電はローンの足しにはならない!(断言)
太陽光発電を押してくる会社さんに言ったお客さんが、かならずと言っていい程聞かされている言葉が、上記のセリフ。
『太陽光発電はローンの足しになりますよ!』
その理屈としては、太陽光発電を導入すると、売電と言って、電気を東電や中電などに買い取ってもらえるので、そのお金をローンの返済に充てたらいいよねってことです。
確かに金額だけを見たら、大容量の太陽光発電を導入した方なら、毎月2万円の売電も夢ではありません。
月々2万円をローンの返済に充てられると考えると、確かに魅力的に思えます・・・・
しかし、住宅業界に携わって10年以上、営業も、監督も、責任者もやってきた自分から言わせて頂くと・・・
『太陽光発電はローンの足しになるどころか、足かせにもなり兼ねません』
と言わざるを得ないのが現状なんです・・・
■そもそも購入費を考えていないケースが多い
その一番の理由が、『太陽光発電の購入費』が結構負担になるからです。
太陽光発電もここ10年で、劇的に値下がりし、10年間で半値程度にまで値下がりしました(個人的な肌感覚、立証データではありません)
しかし、それでもまだ販売価格は数百万円以上する商品で、業者の仕入れ値でも100万以上の商品です。
搭載容量を減らして、金額を抑えることも出来ますが、太陽光発電は乗せたら乗せた分だけ、売電収入が増え、儲かる率が上がる商品なので、ちょこっとしか乗せないのであれば乗せないほうがいいだろうと思います。
さて、売電を語る上で、この購入費を考えていない、もしくは誤魔化されている方が多いように思えます。
例えばこんな計算を見せられたことがあるかもしれません。
**********************
太陽光購入費 200万円(7.0kw)
発電予想 年間8000Kw
毎月売電額(年平均)1万6000円 1KWあたり24円で計算
年間売電額 19万2000円
損益分岐点(買った額よりも、売電の総額の方が増える時) 約10.5年
*計算上の数字はあくまでも私個人の経験での数字で、正確なものではありません。
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このような計算だと、200万円もする太陽光発電も、10年すれば元がとれ、それ以降は利益になると言う計算になります。
しかも、この計算。
実際に、大きなずれはないですし、実はもっと経済効果を生んでいる場合があります。
しかし!!!
ローンの足しになっているかどうかと言われたら、まったくなっていませんよね^^;
むしろ、掛かった費用を回収するので精一杯で、収入として考えることは不可能に近いです・・・
なぜなら、費用を200万円としましたが、これをローンをして購入した場合の計算をすると・・・
金利0.75% 借入額 200万円 返済期間35年の場合
毎月返済額 5415円 返済総額 227.4万円
ローンで購入した場合は、金利が掛かりますので、200万円に約27万円の金利が付きます。
これも返済しなくてはいけないので、先ほどの損益分岐点はもう少し後になります。
しかも、今した計算は金利が0.75%と言った、史上最安値と言われている現在での金利の話。
35年も借りたら金利の上昇も考慮しなくてはいけないので、もっと返済額は増えます。
だったらと言うことで、35年間の固定金利で1.35%と言う商品がありますので、こちらで再計算すると・・・
金利1.35% 返済額200万円 返済期間35年の場合
毎月返済額 5977円 返済総額 約251万円
となり、200万円の商品が約250万円にまで膨れ上がります。
結構、増えましたね^^;
この金額のことを忘れて、話している営業マンが多いのが実情、もしくは理解しながら誤魔化しているか・・・
では、この売電で何年したら元が取れるか、簡単ですがシミュレーションしてみましょう。
■計算だけなら意外と早い完済も可能?
先ほど挙げた7KWの太陽光で再度シミュレーションしてみます。
太陽光購入費 200万円(7.0kw)
発電予想 年間8000Kw
毎月売電額(年平均)1万6000円
年間売電額 19万2000円
とここまでは、先ほどと一緒にあえてします。
これだと損益分岐点は・・・・
損益分岐点(買った額よりも、売電の総額の方が増える時) 約10.5年
になりました。
さて、次は金利分の返済も考えていきます。
太陽光購入費(35年 返済総額) 250万円(7.0kw)
発電予想 年間8000Kw
毎月売電額(年平均)1万6000円
年間売電額 19万2000円
この計算なら約13年で元が取れる計算になります。
意外に早いって思いました???
■10年後の買い取り額はまだ未定
さて、先ほど13年と言いましたが、実は固定買取額って搭載数が10KW未満の場合、10年しかありません。
この間は、今年の予定だと10年間は、1KW当たり24円(東電、中電等管轄内)の買取になります。
なので、10年後は買い取り額が変わっていくので、計算を変えなくてはいけません。
しかし、ここで問題なのがその買い取り額。
実は、10年後にいくらで買い取るか、まだ決まっていないんですね^^;
予想では1KW辺り、4円とか8円とか言われていますが、それだと少なすぎますよね。
しかし、電力会社が実際に自分で電気を作る場合は1KW辺り数円のコストで作っているようなので、その位の数字にしないと、買ったら買った分だけ赤字を垂れ流すだけになります。
そうなると、4円とか8円とかも現実的な数字に思えてきます。
と言うことで、10年後の買い取り額を1KW辺り8円として再度計算をしてみます。
■ずいぶんと完済までの期間が延びていきます。
太陽光購入費(35年 返済総額) 250万円(7.0kw)
発電予想 年間8000Kw
毎月売電額(年平均)1万6000円
年間売電額 19万2000円
ここまではテンプレートですが、ここから10年間とそれ以降の計算に分けていきます。
最初10年間の売電総額 192万円
10年後の売電額(年間) 6.4万円
*年間発電量8000KW 売電額1KW辺り8円で計算
となります。
最初の10年間で250万円のうち、192万円を返済するので、残りは58万円。
これを10年後の売電額、年間6.4万円で割っていくと、約9年。
この計算でいうと、元を取るには、19年経ってようやく黒字になる計算になります。
35年ローンなので、ローン期間の半分以上を使ってようやくの完済です。
ここでようやく、一息つけた・・・なんて思っている方いませんよね?
ここでさらに追い打ちを掛けます。
■太陽光発電のメンテナンスと、発電効率の低下を入れていくと・・・
さて、太陽光パネル自体のメンテナンスはほとんど要りませんが、周辺機器のメンテナンス費用が掛かります。
パワコンと言って、太陽光パネルで作った電気を家庭の電気に変換する機械。
これが10年程度で交換になり、費用は10万とか30万とか言われます。
その他の電装品もメンテが必要です。
次に、太陽光パネル自体のメンテナンスは要りませんが、年々経年劣化により、発電量が下がります。
メーカーでは最初の年の発電量が100だとしたら、年に1%とか、0.5%の数字で下がっていくと公表しています。
この計算だと、100年もすれば発電をまったくしない計算になりますね^^;
しかし、実際には、何十年も前の今の技術に遠く及ばない品質のパネルが、海上にて設置され、今でも50%程度の発電をしているとのデータもありますので、0になることは考えづらいです。
しかし、効率が落ちていくことは実証済みなので、ここでは年間に1%効率が落ちたとして再計算をしていきます。
次に結果を出しますが、驚きの数字になりますよ^^;
■完済まで34年掛かります。
まずは発電量の低下ですが、最初の1年を8000KWとし、年間に1%づつ低下をしたとします。
1年目は8000、2年目は7920、3年目は7841と、単純に1年目の1%つまり毎年80Kwをが減ると言った計算ではなく、前年の総量の1%を引く計算にしています。
2年目は7920ですので、3年目は7920-79.2で四捨五入をして7841といった計算です。
この計算だと、10年目は7308KWまで発電が下がる計算にになり、10年間の総発電量は76494KWになります。
先ほどは減少率を無しでの計算で10年間で80000KWとしていましたので、かなりの減少になります。
さらにメンテナンス費用が仮に10年に20万円とすると、35年だと3回必要で合計60万円になります。
ここで先ほどの計算式を修正すると・・・
太陽光購入維持費 310万円(35年 返済総額250万円、メンテナンス費用 60万円)
発電予想 年間8000Kw(1年目)
*年間1%減少の予定
10年間発電総量 76494KW
10年間の売電額 183万5856円
となり、最初の10年だけで、約10万円の収入減になります。
また、メンテナンス費用が増えた分、残額は増え、その額約126万円にもなります。
また、10年以降も1%づつ減っていきますので、その減った分から126万円を返済していくことになります。
その計算をエクセルさんでしていくと・・・・
完済終了は34年目となりました^^;
つまり、35年ローンで購入した場合、ほぼ売電収入は右から左となり、ローンの足しなんかには絶対にならないと言った結果になります。
逆を言ったら、損もしないということなので、もし損をしそうだって思って、導入に迷っているなら導入してもOKと言えます。
■でも、考え方を変えるとしっかりとプラスになる
さて、ここまで長々と太陽光発電をディスってきましたが、実はしっかりとプラスにする方法があります。
しかも、やり方によっては下手な投資よりも収益が出る位、儲けることも出来ます。
そのやり方は・・・・
次回の記事にてご説明させて頂きます^^
儲けると言うと、怪しい事するんじゃないの・・・?なんて思われるかもしれませんが、特に何もしません(笑)
ようは使い方の発想を変えるだけの簡単なお仕事で、34年間も掛かることが、その半分以下で出来るようになるのです。
その方法を次回にお知らせします。
記事が出来次第、下記にリンクを貼っておきますので、そちらからご覧下さい。
今回は以上です。
さて、今回の合言葉は・・・・
『太陽光発電は住宅ローンの足しにならない』
これを覚えておいて下さいね^^
attoho-mujuutaku.hatenablog.com