くまさんのアットホーム住宅 家づくりのアイデア、注意点教えます

アットホームな住宅を建てるためのアイデアや注意点を書いていきます。

【プロが選ぶ 暖房の方式】 プロが自分の家を建てるなら、この暖房方式を選びます。

■何もしないで暖かい家なんて、常夏の地域だけです

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4月になり、いよいよ春本番って感じになりましたね。

 

新入生や、新社会人や暖かくなる日差しと、なんだか心がうきうきする季節になります。

 

さて、そんな春ですが、その前はさむーい冬でしたね^^;

 

暖冬暖冬と言われますが、まだまだ寒いのが日本の冬。

 

となれば、折角新築を建てるのだから、せめて家の中くらいは暖かい空間にしたいですよね?

 

今は住宅メーカー各社が暖かい家造りを提供しているし、今のアパートや古い家に比べたら雲泥の差で暖かい家を造るので、この件に関しては大きな心配は要らないと思っていませんか?

 

その考え実は大間違い!!!

 

何も考えずに家を建てると、結局は寒い家に一生住み続けることになります。

 

特に、『暖房の方式』についての間違いが圧倒的に多い。

 

そこで今回は、一応プロである私が家を建てるなら、こんな暖房方式にするよって考えをお教えしようと思います。

 

■前提として断熱性が良くても、暖かい家にはなりません。

 

『当社の建物は、基準値を大きく上回る断熱性があり、冬は暖かいですよ』

 

ハウスメーカーなどに見学に行ったことがあるかただと、上記のようなことを聞いたことがあるかもしれません。

 

言い方が違っても、『断熱性が良い=暖かい家』こんなニュアンスの話をする営業さんは多いです。

 

間違ってはいないので否定はしませんが、残念ながら言葉足らず。

 

断熱性が良いと言うことは、外の熱を家の中に伝えないと言うこと。

 

夏の暑い気温や、冬の寒い気温を、家の中に入れないということ。

 

また、同じように家の温度を外に逃がさない効果もあります。

 

さて、ここまで言うと感づいてくれる方も多いと思いますが、断熱性がの良い家は熱を入れず、逃がさないだけで、家を暖める行為はなにもしてくれません^^;

 

つまり、家の断熱性は暖めた空気を上手に使えるだけで、むしろ暖めなければ、ずっと寒いままだってことなんです。

 

こういった観点からも、家を暖める暖房方式は重要だと言うことがわかります。

 

■大きく分けると3種類しかない、暖房方式

さて、それでは本題に入っていきます。

 

まずは多くの方が知らないと思うので説明しておきますが、暖房の方法って色々とあると思いますが、実は大きく分けるとたったの3種類しかありません。

 

その3種類とは・・・

 

・対流式暖房

 

・伝導式暖房

 

・ふく射式暖房

 

全ての暖房器具がこの3種類のどれかに分類されます。

 

私の理想の暖房をお伝えする前に、この3種類の説明を簡単にしていきます。

 

■対流式暖房 最も一般的な暖房方式

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一番最初に説明するのが、対流式暖房。

 

代表的なのはエアコンや、ファンヒーター、ストーブなんかもこの分類に入ります。

 

その方法としては、室内の空気を暖めることにより、部屋を暖める方法。

 

 

空気を暖めるのは、エネルギーをあまり使わないので、速攻性があることが魅力です。

 

しかし、その分冷めやすくもあるので、暖房を切ると寒くなるのも早く、またドアや窓を開けたときに一気に熱を奪われるなどの弱点もあります。

 

また、空気が乾燥しやすく、皮膚に温風を当てることで体の乾燥も招きます。

 

ファンヒーターやストーブは火事が怖いなどのデメリットも目立ちます。

 

ただ、気軽に購入できる暖房器具が多いので、一家に一台はこの方式の暖房があるのではないでしょうか?

 

■サブ的な暖房器具 伝導式暖房

 

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次は伝導式暖房器具。

 

ホットカーペットや、電気毛布など、電気などの力を使い暖めた器具に、直接触れることで暖房とします。

 

ホッカイロなんかもこの一部と言えます。

 

さて、この暖房の良いところは、暖かさを直接、体に伝えること。

 

人が寒さを感じるのは、気温が下がることではなく、気温が下がったことで体温が下がったために寒いと感じます。

 

ちょっと例えが違うかもしれませんが、真冬に運動をすると、汗をかくくらい暑くなりますよね?

 

真冬に見るマラソンランナーで、厚着をして走っている人を見たことはないでしょう。

 

これは運動をしたことで体温が上がり、寒さを感じていないのです。

 

それと同じで、直接体を暖めれば体温があがり、寒さを感じなくなります。

 

ですので、直接体を暖めるこの方式は、最も理想的な暖房と言えます。

 

ちなみに空気を暖める方式も同じ効果はあるのですが、空気は体に熱を伝えづらいので、その効果は多くありません

 

しかし、この伝導式の大きな弱点は、その効果範囲が狭いこと。

 

代表的な器具として、ホットカーペットなどがありますが、その場にいれば暖かいのですが、少し離れたらその効果はほとんどありません。

 

温泉の足湯のように、体が暖めきっていれば、多少は離れても良いのでしょうが、そこまでの効果をホットカーペットに求めるのは可哀想です。

 

 

なので、現状の器具だとどうしても補助的な暖房器具となり、他の暖房と併用することが多い器具になります。

 

■遠赤外線が効く  ふく射式暖房

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最後にふく射式暖房器具。

 

一般的なのは床暖房や、オイルヒーターなどが有名です。

 

この方式は前記の2種とは異なり、直接熱を伝えて暖める方式ではありません。

 

方法としては遠赤外線を利用します。

 

床やオイルを温めることで、それらから遠赤外線を出させ、その効果で暖める方法です。

 

この方法なら、発生源から多少離れても暖かくなりますし、エアコンのように乾いた風が出るわけでも、部屋が乾燥するわけでもありません。

 

また、人だけではなく部屋全体の、壁や床、家具なども暖めます。

 

そうなることで、部屋全体がよく『ひだまりのような暖かさ』と言う表現がありますが、とても心地が良い空間になります。

 

そのことで体感温度もあがり、過剰な温度にする必要もないので、多加湿も防ぐことで結露の予防にもなります。

 

デメリットで言えば、余程大きな器具でない限り部屋全体を暖めることは難しく、どうしても他の暖房との併用が好ましいこと。

 

また、直接暖めるものに比べ、一度他の物を暖める都合上、電気代等が高くなる傾向があります。

 

■では、私だったらどの暖房を方式を選ぶのか?

さて、3つの方式を間単に説明しました。

 

どの方式も一長一短あるので、どれがベストとは言えませんし、実は器具によっては、複数の方式を使った物もあります(例えば床暖房は、伝導式xふく射式)

 

また、今の家の断熱性や、気密性なども考慮しなくてはいけません。

 

と言った色々なことを含めて考えた結果私が選ぶのは・・・・

 

・・・・・

 

・・・・・

 

・・・・・

 

床暖房です

 

この業界に入り10数年、1000近い家を提供してきた自分がもし家を建てるとき、メインの暖房器具は何にしようと真剣に考えた結果、導いた暖房は・・・・

 

床暖房です。

 

大事なことなので、2回言わせて頂きました。

 

やはり、色々なことや状況を考えましたが、床暖房に勝る機器は現状ではないですね。

 

ちなみに床暖房と言えば、1階2階に床暖房を標準仕様にしている、一条工務店さんが有名どころです。

 

近年その人気の上昇振りは凄まじく、新築一戸建ての着工数が最近全国で1位になったそうです。

 

この業界は積水さんが長い間、常にトップで他を寄せ付けない勢いだったので、その牙城を崩したことは業界では大きなニュースになりました。

 

その一条さんのメインウエポンは床暖房。

 

このことからも、床暖房が優れた暖房であることを示してくれています。

 

と言って、人任せにしてもしょうがないので、次に私が選んだ理由を挙げていきます。

 

■対流式はまだ寒い

私が床暖房を選んだ理由の一番の理由は、対流式暖房、つまりはエアコンは暖房にはやはり向いていない暖房であると言えるからです。

 

エアコンなど、対流式の暖房は空気を暖めることで暖房としますが、そのせいで実は寒い空間を作ってしまいます。

 

空気は暖めると軽くなり、部屋の上のほうに溜まっていきます。

 

なので、どうしても足元は寒くなりがちです。

 

ですので、それを打開しようと、エアコンメーカーの多くが色々とやっていますが、空気の性質を考えればやはり100%の解決は今のところ無理でしょう。

 

さらに、冷え性の方は分かりやすいと思いますが、私はどれだけ部屋を暖められても、足元が寒いと、寒いって感じてしまいます、皆さんもそうではないですか?

 

となれば、足元が冷えやすいエアコンはそもそもNGです。

 

また、そのせいで部屋の温度設定をどんどん上げると、今度は頭のほうが暑くなってのぼせちゃいます。

 

しかも、温度を上げると更に乾燥もしますし、電気代も掛かります。

 

加湿器とエアコンをフル稼働!なんて家も多かったんじゃないでしょうか?

 

と言うことで対流式の器具は私の中から選択しとして外れました。

 

■床下の中にエアコンを入れることも考えましたが・・・

ちょっと版権上の都合で画像が用意出来ませんでしたが、床の下にある空間に、エアコンを入れて、そこから温風を出すといった考え方があります。

 

これを床下エアコンなんて言うようですが、私は一度も施工をしたことがありません。

 

確かに理に適っていて、暖かい空気は上に昇るんだから、一番下から暖めればいいじゃんといった考えは好きです。

 

しかし、床下は常に見える空間ではないので、点検が必要になります。

 

また、床下を密閉しなくてはいけないので、床下内の湿気や結露、また白アリなんかも気になります。

 

しっかりと施工して、隙間なく、虫一匹入らない空間を作ればいいのでしょうが、それって何年持つんでしょうか?

 

小さな隙間などはコーキング等を使うのでしょうから、そんなの持って10年、20年持てば御の字でしょう。

 

そのメンテをサボったら、白アリにとっては天国の完成です。

 

また、カビなんかも生えるでしょう・・・

 

そんなリスクを負い、さらに将来的なメンテナンス費用も抱えるくらいなら、やらないほうが良いです。

 

私はメリット得ることよりも、デメリットを買わないほうにお金を使いたい派です・・・

 

■床暖房は伝導式xふく射式

床暖房は、直接床に触れることで暖かい伝導式と、遠赤外線で暖かいふく射式の両方を兼ねそろえます。

 

足元が暖かいことは、暖房上のメリットですし、直接暖かいことで、温度もそんなに上げなくてOK。

 

更には、遠赤外線で部屋中をじっくり暖めますので、足元だけが暖かいといったこともない。

 

個人的には理想的な暖房器具であると言えます。

 

■デメリットはお金

 

さて、そんな魅力的な床暖房のデメリットはなんと言ってもお金^^;

 

施工するにも、使うにもお金が掛かります・・・・

 

個人的には出来れば床暖房だけで暖房は終わらせたい。

 

となると、全部屋に床暖を施工し、全部屋を暖めることに・・・・

 

さらには床暖房は電源をつけて、すぐには温まらないので、予めタイマーなどで暖めておく必要もあります。

 

とにかくお金が掛かる・・・

 

■お金が掛かるから、高断熱、高気密と相性が良い

お金が掛かるといいましたが、実際もお金は掛かります。

 

しかし、昔の家のイメージと比べたらかなりお金は掛からなくなっています。

 

今の家の高気密高断熱はこういった時に役立ちます。

 

断熱性と機密性が良い家は一度暖めたら冷えづらい。

 

なので、暖めるまでは大変かも知れませんが、一度暖めたら電気代も少なく済む。

 

更には床暖房は、熱が冷めやすい空気ではなく、熱が冷めづらい、床や壁、家具なども同時に温めるので、更に冷えづらくなる。

 

こういった観点から、床暖房は今の家と相性がよく、だから一条さんが売れているんだということが分かってきます。

 

 

 

■まとめ

 

長々と書いてきましたが、色々な見方で考えて床暖房を自分は薦めたいです。

 

しかし、初期投資などもありますので、あくまでも自分が家を建てるときは床暖だよって話になります。

 

今回上げた暖房器具以外にも、暖房器具は色々あります。

 

あなたの考えや、住んでいる地域、更には予算など色々な視点がありますので、それこそ色々と考えて見て下さい。

 

しかしこれだけは絶対です。

 

『断熱性が良い≠暖かい家』

 

断熱性が良い家は暖かい家ではありません。

 

暖かくするのに、簡単かつお金が少なくて済む家、こちらが正解です。

 

営業マンのセールストークに騙されないようにしてくださいね^^